不動産

借主が賃料を支払ってくれないので,出て行って欲しいのですが,賃貸借契約書がありません。どうすればよいでしょうか?

契約書がなければ,契約がないというわけではありません。
なぜならば,賃貸借契約は書面によらずとも締結できる諾成契約だからです(民法601条)。
もっとも,裁判になりましたら,裁判所が,借主との間で賃貸借契約を締結したことを認定してもらえないと,明渡を求める旨の判決を出してくれません。

裁判所が賃貸借契約の締結を認めるパターンは大きく分けて2つあります。
一つは,借主が賃貸借契約を締結したことを認めるパターンです。当事者間に争いが無い場合,裁判所は両当事者がともに主張する事実は事実であると認定しなければなりません。

もう一つは,証拠により認めるパターンです。借りていた事実には争いがない場合,問題となるのは無償で貸していたのではないかという点でしょうから,賃料の支払を受けていたことを立証するような通帳の写しですとかが重要な証拠となります。

なお,念のため,賃貸借契約の終了に基づく建物明渡請求だけではなく,所有権に基づく目的物返還請求権としての建物明け渡し請求も併せて申し立てるほうが紛争を円滑に解決させると考えます。

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