債権回収
裁判を起こされました。裁判所を変えてもらうことはできますか?
移送の申立てをすることができます(民事訴訟法19条2項)。
移送には必要的移送(民事訴訟法16条1項,同法19条1項)と裁量的移送(民事訴訟法17条)があります。
必要的移送は,原告が管轄の無い裁判所に訴訟を提起された場合(16条1項)と当事者間で同意がある場合(19条1項)になす移送手続きです。
前者は,被告が本案についての弁論をするなどして応訴管轄が生じた場合(民事訴訟法12条)や自庁処理(民事訴訟法16条2項)される場合等を除いて,移送が認められます。
後者は,①移送により著しく訴訟手続きを遅延させることとなるとき,②被告が本案について弁論をし又は弁論準備手続きにおいて申述をした後の申立て手であるとき,③専属的管轄違いとなる場合を除いて,移送が認められます。
裁量的移送については,訴訟の著しい遅滞を避け,又は当事者間の公平を図るため必要があると認められる場合には移送が認められます。
移送の判断の際に考慮すべき事由としては,当事者・証人の住所,検証物の所在地その他の事情があります(民事訴訟法17条)。その他の事情としては,当事者の身体的事情,訴訟代理人の有無及びその事務所所在地,当事者双方の経済力,請求の趣旨,内容などが含まれるとされています。