遺言・相続

遺産分割調停はどのような流れで進められますか?

遺産分割調停は,一般に以下のステップで話し合いがなされます。

まずは,「相続人の範囲」について話し合います。誰が相続人かを戸籍等を見るなどして確認します。

次に,「遺産の範囲」について話し合います。原則として,被相続人が亡くなった時点で所有していて,現在も存在するものが,遺産分割の対象となる遺産になります。
例えば,預金口座がもっとあるのではないか,ということや,通帳に配当金としての振り込みがある旨の記載があるから株式を持っているのではないか,といったようなことが話し合われます。
 
3番目に「遺産の評価」について話し合います。特に問題になるのは不動産の価値です。
民間業者の査定や固定資産税評価額等を基礎に価値を考えます。もっとも,不動産を取得したい人は安く,不動産を取得したくない人は高く評価して欲しいので,遺産の評価で意見が対立することも儘あります。
遺産をどう評価するかについて,話し合いがまとまらない場合は,鑑定をします。このときは,鑑定にかかった費用は,法定相続分と同じように分けて支払うことが多いです。

4番目に,「各相続人の取得額」について話し合います。特別受益や寄与分といった議論はここで話し合われる事項です。
最後に,「遺産の分割方法」について話し合います。たとえば,「不動産は私がもらう。預貯金はあなたがもらう。不動産は価値が高いから,預貯金をもらうだけでは釣り合わないので,その分,私はあなたにお金を払う。」などといった話をします。
もっとも,この一連のステップは厳密に守らなくてはならない,というものではありませんので,その点はご安心ください。