遺言・相続

遺産があるかどうかの調査はできますでしょうか?

遺産として調査をなすべきなのは,主に預金・不動産・債権・有価証券の4つです。

まず,預金については,相続人である旨話せば,銀行等に預金の額等を開示してもらえます。
もっとも,どこの銀行のどこの支店に口座があるかについては,把握しておく必要があります。
それを把握するためには,通帳を探すのが一番早いと思います。
もしも預金通帳が見つからないような場合は、利用していた可能性のある金融機関に、被相続人の口座の有無を確認する必要があります。
亡くなった方がクレジットカードで買い物をしていたり,通信販売などをしていたりした場合であれは、それらの利用明細などに、引き落とし口座の手がかりとなる情報が記載されていることもあります。
利用明細等が郵便物として来ていないかチェックすると預金が見つかるかもしれません。

次に不動産については,名寄帳(固定資産課税台帳)を市町村(町田であれば町田市役所)に請求することで調査することができます。
その市町村にある亡くなった方の所有する不動産について一覧表を取得することができます。
ただし,その市町村の外に不動産がある場合,たとえば,亡くなった方が相続で取得した先祖代々の土地があるとか,不動産投資をしているとかいった場合においては,それはまた別途調査しなければなりません。
名寄帳をとりよせたら,法務局で登記簿謄本を取得すべきでしょう。
抵当権が設定されているか,現在も所有権登記が設定されているか,等を把握することができます。
有価証券については,預金通帳の写しが手に入れば,そこに証券会社等からの入金があることを見つけることで,探し出すことができるかもしれません。
有価証券も預金同様,証券会社に依頼すれば,評価証明書等の書類を交付してくれます。

もっとも,それらの遺産より注意して調べるべきなのは負債です。
なぜならば,相続したはいいが,負債の方が多かった場合には,不利益になってしまうからです。
負債を負うことで損をしないようにするためには,相続放棄または限定承認(民法915条1項)をなすことが考えられますが,これらができる期間は,相続の開始があったことを知った時から3か月以内とかなり限定的です。
この期間内に相続放棄等をしなければ,遺産と比べて負債の額がいくら大きいものであっても,それを支払わねばなりません。