交通事故

交通事故にあったことにより車を売却する際に値段が落ちることについて,交通事故の相手に金銭の支払いを求めることができますか?

事故にあった後,修理技術上の限界から機能や外観が完全に修復しなかったり,また,機能や外観に問題がなくても事故歴や修理歴のために車の商品価値が落ちたりしたことによる損害(「事故当時の車両価格」-「修理後の車両価格」)を「評価損」といいます。

修理をしても機能や外観が完全に修復しなかった場合は,損害が認められ,交通事故の相手方に金銭の支払いを求めることができることが多いです。

もっとも,機能については元に戻ったものの,美観が損なわれたという場合には,タクシーや自家用車については美観が要求される用途に用いられるものとして損害が認められやすい一方,貨物運送用のトラック等については,多少美観が損なわれたとしても価値が低下するとはいえないことから,損害は認められないことが多いです。

修理によって,車が元に戻ったものの,中古市場において価値が低下する場合については,完全に元に戻らなかった場合に比べれば,損害は認められない場合が多いですが,全く認められないというわけではありません。

たとえばメルセデスベンツML320について登録後3年8か月,事故時の走行距離が5万7000キロ,修理費209万6690円であったケースについて,裁判所は,外観や機能に欠陥が残存したと認められる証拠はないが,事故歴が付加されたことにより市場価値の下落が生じたものと認められるとして,評価損を20万円と判断しました(名古屋地判平21・1・23)。

裁判の場合の費用
支払を求めたい額が300万円以下の場合は,着手金8%,報酬金16%
例)300万円の支払を求めたい場合,着手金24万円,報酬金48万円,合計72万円

支払を求めたい額が300万円を超え,3000万円以下の場合は,着手金5%,報酬金10%
例)500万円の支払いを求めたい場合,着手金25万円,報酬金50万円,合計75万円
となります。