労働問題

退職した従業員に未払いの残業代を支払う義務はありますか?

残業代の支払請求権は,2年間で時効により消滅します(労基法115条)。
そのため,支払う義務があるケースはとても少ないです。

時効には中断という制度があり,それにより2年間という期間を延ばすことができますが,内容証明郵便で支払い請求をするという「催告」(民法153条)によっても,長い期間期間時効が成立する期間を延ばすことは困難です。
ただし,支払う義務が生じてしまうケースがないわけではありません。
例えば,請求に応じて会社がいくらか残業代を支払った場合は,時効成立後の債務の承認として,残りの残業代についても支払い義務を負うことが考えられます。