初コラム!

今年1月20日に事務所を設立し,2月28日に事務所開所パーティを開催させて頂きました。当日は,約80名もの方にお集まり頂きまして,身に余るご祝辞を頂きました。その後,3月は確定申告に追われていましたが,それも終わり,ようやく事務所として,落ち着いてきたところです。

今日は,一冊の本を紹介いたします。その名も「絶望の裁判所」(瀬木比呂志元裁判官著)。この本は,私の尊敬する某裁判官が読んでいて,興味を持ったのですが,要するに,いかに良心に従った裁判を行うことが,「事実上」難しいのか?について書いてあります。ここで,「事実上」というのは,本来,裁判官という職業は,判決について誰からも指図を受けず,その職務の独立性が確保された職業であるはずなのに,そうはなっていないということです。

「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」(憲法第76条)
筆者によると,どうやってそれが曲げられるかというと,裁判所の人事制度に原因があるようです。書いた判決が,最高裁事裁判長をトップとする最高裁事務総局に対してものを申すような内容であった場合に,出世がしにくくなるため,裁判官はそのあたりを強く意識してしまう。結果,行政訴訟で国が敗訴する確率は10%にも満たない。などと例を挙げて書かれています。

私は,ここで書かれていることが全てだとは思いません。修習生時代から弁護士になり,様々な裁判官に出会ってきましたが,良い和解をさせてくれる裁判官,熱い判決を書いてくださる裁判官も多数います。

ただ,この本に書かれているような,事なかれ主義で,官僚主義的で,紛争解決する意欲に乏しい裁判官もそれなりの数いるな・・・というのが,私の印象です。

しかし,私は弁護士ですから,それを「絶望の裁判所」と単に嘆くことはできません。そんな「裁判所」にどうやって挑むのか?それが私の日々のテーマです。